シーン1

  (セピア色の夢。)夢の舞台は葬式から始まる。川べりの住宅街。死んだ のは高校二年生の女の子。だれからも愛される人なつっこい子。2階にある 仏壇で写真が笑っている。空間は動かない。音もない。セピア色はしらけた 空間を作っている。カメラが、正座している女子高生の足に移る。正座した 足の上の手に涙が落ちる。カメラは上に移動する。うつむいた顔。ロングの 黒髪、涼しい目にすっと涙が曇る。日本美人。隣に住む子。死んだ彼女の親友。彼女以外誰もいない仏壇の前でつぶやく。「わたしがころした。」と。そして、 泣きながら外に駆け出す。

 シーン2

  枯れ葉が舞い散る並木通り。この先には神社がある。そこを走る。いつま でたっても着くことはない。走りながら彼女は狐になる。「わたしがころした」 とつぶやく。「わたしはにんげんじゃない。」とも。疾走する。

 シーン3

  そこに何者かが現れ、ゆくてを阻む。彼女の気に障って、かまいたちをくら う。が効かない。渦巻く枯れ葉の中から虚無僧が現れる。彼女と同じ一族。彼 女の恋人。年の頃は30過ぎのダンディーなおじさま。許されない恋らしい。 男は言う。「あの娘は君の正体を知った。」と。(どうもそれで死んだらしい。) 彼女は言う。「人間になりたい。こんな呪われた身で生きていたくない。」と。

 シーン4

  男は言う。「ならば来世で共に会おう。」と二人で手をつなぎ、最初に出て きた川に身投げする。川の中でたゆたいつつ、はなれた手を求めさまよう。あきらめにも似た感情のまま夢は終わる。

 私見

   ・・・。なんか、変な夢だったす。2年くらい前見た奴です。幽玄というか、なんというか寂しい感じの夢でした。夢らしく展開が急でした。心中する理由も ごまかされている感じがするし。最後に水の中にたゆたう感じと手を求めると ころは、後に引く感傷でした。退廃的である。

もどる