ムドの巫女はあまりのことに呆然とした。 ありえない。 男は茶色の軍服、帽子から出た髪は 艶やかなブラックオパールを溶かしたよう。 腰には一刀のサーベル。 そのサーベルは人斬り独特の淀んだ空気は無く とても澄んだ空気を持っていた。 ありえない。 ーー何故なら袖が血で汚れていたから。